わたしは光をにぎっている。
『自分は光をにぎつてゐる』
自分は光をにぎつてゐる
いまもいまとてにぎつてゐる
而もをりをりは考へる
此の掌(てのひら)をあけてみたら
からつぽではあるまいか
からつぽであつたらどうしよう
けれど自分はにぎつてゐる
いよいよしつかり握るのだ
あんな烈しい暴風(あらし)の中で
摑んだひかりだ
はなすものか
どんなことがあつても
おゝ石になれ、拳
此の生きのくるしみ
くるしければくるしいほど
自分は光をにぎりしめる
山村暮鳥
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カネコアヤノの「光の方へ」が主題歌になっている映画
わたしは光をにぎっている。を観ました。
https://youtu.be/QVhDM6VfmtA
無口な女の子が田舎から上京して働き出す物語なんだが、まさに『現代版 魔女の宅急便』
上京先は葛飾区立石にある古い銭湯。
立石は今、再開発事業により古い飲み屋、小売店の立ち退きが進んでいる。再開発により居場所を失っていく地元住民たちの葛藤がこの映画のテーマの1つなのだが、もはや無口な主人公の澪ちゃんの成長よりもこっちの方がメインテーマなのかもしれない
映像としては光と音響にすごくこだわってると思った。澪ちゃんがお湯に映る光を握るような演出。呑んべい横丁の薄暗い電灯とか風呂場をブラシで擦る音、鉛筆で文字を書く音、焚き火が燃える音…
普通の映画より物音を大きくしてると思う。自分がその場にいるような感覚になる。
主題歌目的でこの映画をみたんだけど
観てみるとすごく自分に刺さる映画だった。
実は、まかみちゃん葛飾に住んでいるから立石めちゃめちゃ近い。何回か立石で飲んだこともあって呑んべい横丁とか踏切とかすごい見たことある景色が何度も映っていた。
なんかテンション上がるよね自分が知ってるところが映画に出ると
それに、自分の仕事が再開発に関わる仕事しているから余計にこの人たちの居場所をなくしているのかという罪悪感にかられた。
正直、立石駅関連は弊社も手を出してるし。
でも、映画ラストでエキストラじゃなくて恐らく地元の店主たちが自分の店前で撮影してるんだけど
みんなすごく笑顔だった
これからお店がなくなるのに、なんてたくましい笑顔なんだろうって思った。
きっと題名となった詩の通り光をギュッと握りしめいるんだろうな
澪ちゃん役の松本穂香と居候先のおじさん役光石研がすごく良かった。
澪ちゃんは弱々しさがすごく松本穂香にマッチしてるし、光石研の昭和な寡黙親父感がすごくかっこいい。
ラストシーンの二人が見つめ合うシーン、たぶんすごく短いコマだったけれどすごく印象に残ってる。
そして、流れる光の方へ
諦めないで今できることを進んでいく、希望のあるエンディングとすごく良かった。カネコアヤノすばらしいな
でも、1つだけ疑問が残ってて、この映画のポスターの好きな人も出来たって誰のことなんだろう
澪ちゃんが自主映画を作る男に惚れてたっていうのは納得できないなぁ……
まぁでもいい映画だった。
僕も光を握りしめて、強く生きていきたい。
また立石に飲みに行こう。あの風景が無くなる前に